あらすじ

小説レビュー|おすすめ

街とその不確かな壁 村上春樹 | あらすじと感想

心の内に物語が入りこんでくる感覚です  『街とその不確かな壁』村上春樹氏の最新刊です。私が無意識に常識と捉えている時間や身体についての理解を越え、現実離れした設定に引き込まれて一気読みでした。  壁の内と外、どちらが現実でしょうか。時間の...
冒険小説

『到達不能極』 斉藤詠一|あらすじと感想、ネタバレあります

行ったことのない南極にいるような気分になります  小説『到達不能極』は、南極の基地に眠る秘密をめぐって争いや葛藤が生まれる物語です。登場人物の行手を阻む危機に見舞われる中で、「二人」の絆が難局を切り抜ける扉を開いていきます。  厳しい自...
小説レビュー|ジャンル別

『天使のナイフ』薬丸岳|デビュー作の新装版

眩い万華鏡に注目です  私の大好きな作家、薬丸岳の『天使のナイフ』を読了しました。意外な展開の連続は予想通りで薬丸岳作品の真骨頂と思います。もう一つ特筆したいのはこの小説が少年犯罪という奥の深い様テーマに向き合っている作品であることです。...
小説レビュー|ジャンル別

『砂漠の青がとける夜』中村理聖 | あらすじです

砂漠の漆黒の夜に鴨川のせせらぎを感じてみませんか  中村理聖の『砂漠の青がとける夜』を読みました。主人公の女性、瀬野美月の揺れる恋心を淡いタッチで語る小説です。どこにでもありそうな日常の中で、特別な感性を持つ準君と美月の交流を優しい文章で...
小説レビュー|ジャンル別

『コイコワレ』乾ルカ|螺旋プロジェクト

螺旋プロジェクト作品のひとつ、『コイコワレ』を読み終えました。螺旋プロジェクト作品は「対立」をテーマに物語が進行します。時代を超えて大きな耳をもつ山族と蒼い目をした海族が争いを繰り返していくのです。 『コイコワレ』は太平洋戦争の中、二人の...
小説レビュー|ジャンル別

『シーソーモンスター』伊坂幸太郎|螺旋プロジェクト これから読まれる方へ

 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』を読みました。螺旋プロジェクトに属する2作品『シーソーモンスター』と『スピンモンスター』が収められています。  『シーソーモンスター』はひと昔前のドラマ「渡る世間は鬼ばかり」を彷彿とさせる嫁と姑の摩擦の話...
小説レビュー|おすすめ

『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎|夢が現実を切り拓きます

題名に惹かれて『クジラアタマの王様』を読みました。著者は伊坂幸太郎氏、2020年に今は亡き三浦春馬氏主演の「アイネクライネナハトムジーク」の原作者であることを後から知りました。  『クジラアタマの王様』は「現実社会」と「創造世界」の間を読...
小説レビュー|おすすめ

『デス・レター』山田正紀|最後の盛り上がりに注目です

山田正紀の最新作『デス・レター』を紹介します。 “急いだ、急いだ、おまえの大切な人(ラヴ)が死んじまうぞ。“  冒険SF小説と思って読み始めると、推理小説? 空想小説? 大切な人が死ぬという手紙を受け取った人達を死神がインタビューする短...
小説レビュー|ジャンル別

『平成くん、さようなら』古市憲寿 |軽いけど重い小説です

 『平成くん、さようなら』を読みました。平成元年1月8日生まれの主人公「平成くん」が恋人「愛ちゃん」とすごす日常を描いた恋愛小説です。日本は安楽死が認められている国という設定で平成くんは安楽死することを宣言しています。  若い二人は超セレ...
冒険小説

『復活するはわれにあり』 山田正紀 | これぞ冒険小説です

勇ましい題名に惹かれて、冒険小説『復活するはわれにあり』を読了しました。作品について前もって調べることなく読み始めて、一気に読み終えてしまいました。銃撃戦や火災シーンは情景がはっきり頭に浮かんで、これぞ冒険小説と納得していました。同時に、文...