小説レビュー|おすすめ

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街とその不確かな壁 村上春樹 | あらすじと感想

心の内に物語が入りこんでくる感覚です  『街とその不確かな壁』村上春樹氏の最新刊です。私が無意識に常識と捉えている時間や身体についての理解を越え、現実離れした設定に引き込まれて一気読みでした。  壁の内と外、どちらが現実でしょうか。時間の...
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『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘|螺旋プロジェクトー美しい結末です

螺旋プロジェクトシリーズの一冊、『天使も怪物も眠る夜』を読みました。たくさんの人物が登場し、近未来の東京を舞台に場面が変わっていきます。章が進むにつれて人物と場面がつながって楽しく読めるSF小説です。  螺旋プロジェクトテーマは人間同士の...
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『蒼色の大地』薬丸岳|螺旋プロジェクト ‐ 圧巻の一冊です

螺旋プロジェクトシリーズ作品、『蒼色の大地』を読みました。螺旋プロジェクト全作品は、「対立」がテーマです。本書でも山族の海軍と海族の海賊が争いを繰りひろげます。 『蒼色の大地』の舞台は明治時代の瀬戸内です。幼い頃同じ村で育った3人、灯(あ...
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『死にがいを求めて生きている』朝井リョウ|螺旋プロジェクト

 螺旋プロジェクト作品の一冊 『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウを読み終えました。小説後半のたたみかけていく進行は圧巻です。私は夜を徹して一気読みしてしまいました。  平成の世の中、棒倒しや高さを競う組体操は姿を消します。小中学校...
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『その本は』又吉直樹 ヨシタケシンスケ|ほっこりさせてくれます

話題の本、『その本は』を読みました。短編小説です。短編小説ですが絵本です。絵本ですが落語や小噺でいうおもしろいオチがあります。オチがあるのに涙が出そうになります。いままでこんな本があったのでしょうか。心をほっこり優しくさせる本です。まずは読...
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『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎|夢が現実を切り拓きます

題名に惹かれて『クジラアタマの王様』を読みました。著者は伊坂幸太郎氏、2020年に今は亡き三浦春馬氏主演の「アイネクライネナハトムジーク」の原作者であることを後から知りました。  『クジラアタマの王様』は「現実社会」と「創造世界」の間を読...
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『デス・レター』山田正紀|最後の盛り上がりに注目です

山田正紀の最新作『デス・レター』を紹介します。 “急いだ、急いだ、おまえの大切な人(ラヴ)が死んじまうぞ。“  冒険SF小説と思って読み始めると、推理小説? 空想小説? 大切な人が死ぬという手紙を受け取った人達を死神がインタビューする短...
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時代屋の女房 村松友視|あらすじ 小説も映画もおすすめです

図書館の現代文学の棚に『時代屋の女房』が並んでいました。  何気なくよんでいると同名映画の夏目雅子の映像が強烈に浮かんできたのでちゃんと読むことにしました。 読んだあと映画のビデオも観てしまいました。夏目雅子の美貌にみとれながら、今はだい...
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テスカトリポカ 佐藤究|あらすじ&感想 

「四人は言われたとおり父親の胴体を押さえつけ、リベルタが黒曜石のナイフをその胸につきつけた。切り裂き、穴を空け、骨を切り、うごきの止まった心臓をえぐり出した。」 私は小説を劇場上演を見るように読んでいます。『テスカトリポカ』は世界各地の雰...