小説レビュー|ジャンル別

小説レビュー|おすすめ

『デス・レター』山田正紀|最後の盛り上がりに注目です

山田正紀の最新作『デス・レター』を紹介します。 “急いだ、急いだ、おまえの大切な人(ラヴ)が死んじまうぞ。“  冒険SF小説と思って読み始めると、推理小説? 空想小説? 大切な人が死ぬという手紙を受け取った人達を死神がインタビューする短...
小説レビュー|ジャンル別

『平成くん、さようなら』古市憲寿 |軽いけど重い小説です

 『平成くん、さようなら』を読みました。平成元年1月8日生まれの主人公「平成くん」が恋人「愛ちゃん」とすごす日常を描いた恋愛小説です。日本は安楽死が認められている国という設定で平成くんは安楽死することを宣言しています。  若い二人は超セレ...
冒険小説

『復活するはわれにあり』 山田正紀 | これぞ冒険小説です

勇ましい題名に惹かれて、冒険小説『復活するはわれにあり』を読了しました。作品について前もって調べることなく読み始めて、一気に読み終えてしまいました。銃撃戦や火災シーンは情景がはっきり頭に浮かんで、これぞ冒険小説と納得していました。同時に、文...
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斬首刀(ざんしゅとう)宮ノ川顕|あらすじ 現代ホラー長編小説です

 ホラー小説作家宮ノ川顕の『斬首刀』を読みました。正直な感想として、人間が自然や霊界の超常現象に負けまいと挑戦している現代風歴史小説を読み終えた感覚です。背筋が寒くなるような感覚を期待されるホラー小説が好きな読者さんにはちょっと物足らなさを...
ホラー小説

化身 宮ノ川顕|あらすじ ホラー小説の真骨頂の一冊です

ホラー小説作家宮ノ川顕の『化身』を読了しました。『化身』『雷魚』『幸せという名のインコ』の3作が収められています。『化身』という題名は福山雅治の有名な歌曲で、映画やテレビドラマにもなった渡辺淳一の同名恋愛小説でもあります。私は聞いたことのあ...
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泥濘(ぬかるみ) 黒川博行|あらすじ&感想 疫病神シリーズ第7作

『泥濘(ぬかるみ)』はヤクザ桑原保夫とヤクザ慣れしている建設コンサルタント二宮孝之の疫病神コンビが、老人ホーム経営に絡む暴力団と警察OBの癒着をネタにシノギを得る(カネ儲けする)ハードボイルド社会小説です。シノギのためならどんな危ない橋でも...
小説レビュー|おすすめ

時代屋の女房 村松友視|あらすじ 小説も映画もおすすめです

図書館の現代文学の棚に『時代屋の女房』が並んでいました。  何気なくよんでいると同名映画の夏目雅子の映像が強烈に浮かんできたのでちゃんと読むことにしました。 読んだあと映画のビデオも観てしまいました。夏目雅子の美貌にみとれながら、今はだい...
小説レビュー|ジャンル別

熱源 川越宗一|あらすじ&感想 ー アイヌの生きざまに感動です

 直木賞作品 「熱源」を読みました。主人公のひとり山辺安之助((アイヌ名ヤマヨネクフ)は実在する人物で、日本初の南極観測隊の一員として記録に残る樺太アイヌです。もう一人の主人公ブロニスワフ・ピョトル・ピウスツキも樺太アイヌの女性と結婚した実...
小説レビュー|ジャンル別

破門 黒川博行|あらすじ&感想 疫病神シリーズ第5作

黒川博行氏の「破門」を読みました。2014年発表の「破門」は第151回直木賞受賞作、小説が発表されて間もなくビデオ化されて話題になりました。疫病神コンビ、イケイケヤクザの桑原とヤクザ慣れしている堅気の建設コンサルタント二宮が映画プロデューサ...
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螻蛄(けら)黒川博行|あらすじ&感想 疫病神シリーズ第4作

黒川博行氏の疫病神シリーズ、「螻蛄」を読了しました。怖いもの知らずの疫病神コンビ桑原と二宮が巨大宗教法人に伝わる貴重な絵巻物をネタにシノギ(収入)を得ようと企みます。しかし二人の行く手にたちはだかるのは伝法宗慧教寺派の歪んだ内幕に乗じて大金...